春華はかなりの確率で、アパレルの一般職に行くつもり。
理由は東京に住めるから。職種も営業とかじゃないし。これからの学生生活の残りと仕事のあまった時間で、簿記とかパソコンとか教採とかがんばるんだ、って思って。

でも、人生全然がんばってない子とか同僚だったらどーしよとか思う。今までこんなに頑張ってきたのにという思いと、こんな子が就職できただけでもありがたいという思いが錯綜する。

春華は彼氏にとっては全然いい子じゃない。自分のことしかしない。食事は全部彼氏が準備してくれる。春華が用意するのはほんと年に何回あるかくらい。就活する前はひたすら授業に出て、自分の生きがいだったアルバイトをしてた。就職できるなんてだいそれたことは考えられなかったけど、一生懸命だった。プライベートもほとんど犠牲にしてた。そして、就活をはじめてからも人並みかもしれないけど、がんばってた。

でも、彼氏はそういう春華が好きだったと今日言った。ほんとうにお前それでいいのか?と言う。でも、一般職の仕事だってちゃんとできるようになったら春華にとってはすごいことなんだよ。と言うと、そんな自信がない春華はいやだ。何を捨ててでも、夢に向かっていくやつじゃないのか。って言う。

ただ、春華はこんな生活じゃやだ。もっと上に行きたいって思うのをやめてみたいと思っただけ。
みんなみたいに今の生活がすっごい楽しいんだよって感じでキャンパスを歩きたかっただけ。

何が幸せなんだろう?わかんないよ。

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